歴史

脱酸素装置の開発

吟醸酒をはじめとする特定名称酒の普及に伴い、メーカー側、流通側共に生酒の品質管理に重点を置いていますが、熟成具合の管理は大変難しい問題になっています。弊社は、一層の品質向上を目指し、三菱レーヨン株式会社、三菱レーヨンエンジニアリング株式会社と共同で「膜脱気装置」を開発しました。

脱酸素装置を導入する以前は、生酒をマイナス5度で貯蔵を行っても、三、四か月を過ぎる頃から生老香と呼ばれる香りが発生し、生酒特有のフレッシュさが損なわれてしまうケースがありました。これは、生酒内にある酵素の作用によるもので、香り成分を酸化させてしまうためです。これを防ぐために、酵素を限外濾過で除去する方法がありますが、日本酒の香味バランスを崩してしまう恐れもあります。

液体中に存在する酸素を脱酸素装置によって除去することによって、酵素が引き起こす香り成分の酸化作用を防ぐことが出来、品質を維持しながらの長期保存が可能になりました。この方法は、火入れ工程による熱殺菌や限外濾過による酵素除去とは異なり、生酒のフレッシュさを最大限に活かすことが出来る方法です。

これにより日本酒にとって好ましくない色、味、香り成分の生成を抑えることが可能になり、より良い状態でお客様のもとへ出羽桜をお届け出来るようになりました。

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天空蔵

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