お知らせ

2023/06/07祝!ご卒業! 「勝鹿」醸造元 窪田酒造株式会社 窪田達成さん

 出羽桜に研修に来られていた千葉県野田市「勝鹿」醸造元・窪田酒造株式会社の窪田達成さんが、3年間の研修を終え、卒業されました!卒業文が届きましたので、皆様ぜひご一読ください!
 これからもこの繋がりを大事にし、ともに日本酒業界で頑張っていきましょう!


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<研修を終えて>
 

 2020年4月から2023年5月までの3年間、みっちりと出羽桜酒造にて研修させていただきました。研修を始めた年齢は30歳、諸先輩方と比べてだいぶ遅く、大学も音楽大学出身で、しばらく楽器を吹く公務員として勤めていたため、本当にゼロからのスタートでした。酒造経験のない素人を受け入れていただき大変感謝しております。
 

  1年目、2年目のオフシーズンでは、製品課で一連の瓶詰め作業、梱包作業を経験させていただきました。一連の作業の中で、如何に手早く、効率的に、丁寧にできるかを、協力して社員の方々は常に考えて作業しており、プロ意識を学ばせていただきました。また、自社は機械化がほとんど進んでいないため、洗瓶機、パストライザー、フォークリフト等の扱い方も学ばせていただきました。
 

  3年目の5月からは、山形工業技術センターの醸造研修コースに参加させていただきました。本研修は、自ら設定したテーマに関する研究をさせていただく中で、基礎知識の理解を深めることができました。また、少しづつ新型コロナウイルスが落ち着いてきた中で、先生方には大変お世話になり、県内の酒造関係者の方々にお会いする、数少ない機会にも参加させていただきました。
 

  1年目の10月、3年目の9月からは山形蔵、2年目の10月からは本社蔵で研修させていただきました。1年目は前職との仕事のギャップで、社員の皆様に遅れながらもついていきました。以前はホルンという楽器で仕事をしていましたが、一つの工程を磨き上げて、バリエーションを増やして本番に臨むという一点集中型の現場でした。酒造りの場合、各工程が同時並行で行われながら、日夜問わず、丁寧に仕事をこなしていくという、常時緊張感を欠かしてはならない現場に、中々切り替えられず何度も失敗し、その度に叱責をいただくのですが、それでも最後まで丁寧にご指導いただきました。
 

 2年目の本社蔵では、山形蔵の2倍近くの仕込みの中で、主に原料処理を担当させていただきました。毎日2トン程度の洗米をさせていただく中で、米の品種によって変える吸水率は勉強になりました。人生で一番筋肉がついた時期かもしれません。本社蔵には蔵人の方が多く、田畑の気候についての影響等の話がとても勉強になりました。
 

 3年目の山形蔵では、1・2年目の経験を活かし、酒造りの全体像、人の動きを見ながらの立ち回り方を常に考えながら研修することができました。また、仲野益美社長、仲野翔太郎専務の大吟醸を一番間近で学ぶという、またとない機会に恵まれた期間になりました。
 

 この3年間の研修を通して、知識、経験はもちろんのこと、実家を継ぐ覚悟とこれから自分自身がこの業界を担っている一部という責任を感じることができました。これからは一歩ずつできるところから自社を盛り上げ、いつの日が出羽桜酒造への恩返しをできるような蔵を目指して日々精進していきます。

 最後に、仲野社長を始め出羽桜酒造の皆様、山形工業技術センターの先生方、この3年間お世話になったすべての皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

窪田酒造株式会社 窪田 達成

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