高麗・李朝の工芸

高麗・李朝の工芸

開館30周年記念所蔵秀作展 第一部「高麗・李朝の工芸」

平成30年6月1日(金)~9月2日(日)

 朝鮮半島に興った高麗王朝時代(918~1392)と、日本では李朝という愛称で知られる李氏朝鮮王朝時代(1392~1910)の工芸を展示します。朝鮮半島の美術工芸、特に李朝の陶磁器は出羽桜美術館の核となる収集品であり、パンフレットにも掲載している「李朝染付花唐草文皿」は、現存する類例の少なさから世界的にも大変貴重な作品です。 高麗時代を代表する工芸作品といえばやはり青磁があげられます。曲線を多用した器に緻密に牡丹や蓮や菊の花文などを象嵌技法で描き、その上から翡翠を思わせる少しくすみのある深い緑の釉薬かけて焼かれる高麗青磁は優美な作品が多いです。
 李朝は孔子の教えを貴ぶ儒教を政治理念にしたことから器もそれに倣い、形は装飾性を抑え、白い土に鉄やコバルトで簡素で素朴な絵付けをし、上から透明な釉薬をかける白磁の陶磁器が焼かれ、王侯貴族に使用されていたといいます。所蔵品には日常の器のほかに、儀式に使用される祭器と呼ばれる独特な形の器や、墨をする際に水を垂らす水滴といわれる文房具などもあり、それらの中から選りすぐりの名品を公開します。

museum2018-2.jpg

ページトップへ